[仕事]インターネット上でのブランド評価(風評・口コミ[buzz])測定ツール現状レポート

仕事ネタ

「インターネット上でのブランド評価測定ツールは、現状どういうものがあるのか」という調査依頼があったので、調べてみた。

そういえば数日前、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」でも、このネタ取り上げられていた。たとえば「六本木ヒルズ」と「表参道ヒルズ」を比べた場合、ネットではどう評価されているかを、Webページやブログの記述を収集して評価する、というものだ。WBSの結果では、「表参道ヒルズは、基本的に話題数が少なく、評価軸が得られない。対して六本木ヒルズは、話題数も多く、【きれい】【高級】などのプラス評価がされている」となっていた、と記憶している。

仕組みとしては、「調査する単語に対して、プラス評価になる単語、マイナス評価になる単語の相関関係による重み付けを行なった演算をして、評価を算出する」というアルゴリズム(計算方法)になる。

利用方法としては、

  • 一般公開することでユーザーの利便性を向上させる
  • 社内でマーケティングに利用する
  • 調査結果を販売する

というところか。

このようなツール、調べてみたらかなりたくさんある。ざっと一覧を作ってみた。

blogWatcher(ブログウォッチャー)

東京工業大学の奥村学研究室で開発された、ブログ情報の収集・検索・評価が行なえるツール。ブログ以外(RSS非対応)でも、HTMLを解析して検索対象とできる。検索単語の「ポジティブ」「ネガティブ」評価を行なえる他、注目されているかを判別する「バースト度」を表示可能。2005年5月に公開されたバージョン2.0にて辞書を強化し、評判検索精度を向上させた。

blogWatcherは株式会社ホットリンクが販売している他、ソフトバンクBBがイントラで利用している。INTERNET Watchによると、blogWatcherの導入で下記の効果が出ているようだ。

  • b to cサービスの評判がすぐわかる(良い部分を伸ばし、悪い部分を修正するという次の手がすぐ打てる)
  • ニュースリリースをメディアなどがどう判断したかで、経営方針の参考にできる
  • 潜在顧客がどこにいるか、ライバルはどこかを分析できる
  • 数億円かかるプロモーション(キャンペーン)の費用対効果が測定でき、コスト削減効果がある

テクノラティ

世界でのブログ検索の最大手と言える「テクノラティ」。日本では2005年7月にサービスを開始。まだ一般への知名度は低いが、「平均7分後に登録」というスピードを活かし、独自のビジネスモデルを展開する今後の動きに注目。日本独自サービスとして、携帯サイトへも対応予定。

ContentsRadar(コンテンツリーダー)

2004年7月にNTT東日本より販売開始。対象サイトをある程度特定して、そのサイトにおける単語の評判をチェック。可視化するレポート機能が充実している様子。

gooラボ 評判検索実験

NTTレゾナントが2006年3月に開始したサービス。goo自前の日本語処理技術を使い、単語に対して「肯定」「否定」を分類表示できる。検索すると、「こういう肯定ワードとして評価されている」と表示される。

その他

この他、各社で研究・開発が行なわれており、IBMはニュースサイトも含めた『Public Image Monitoring Solution(パブリックイメージモニタリングソリューション)』、ユニジェントではブログマーケティング向けとして『Blog Report(ブログリポート)』、アクセラテクノロジからは商品評判にフォーカスした『AccelaNavi(アクセラナビ)』、C2cubeから自然言語認識をフューチャーした『BuzzTunes』、ガイアックスから人力も加えた風評調査サービス『CGMマイニングネットボイス|』、大日本印刷とマイポイント・ドット・コムは『BLOG360』をサービス開始・予定している。中でも、BLOG360は一般レベルに認知を広めているようだ。

他にも、プロバイダ系は、自社ブログとの連動を活かしたサービスを始めている。サイバーエージェントの『Amebaクチコミ評判検索』、ニフティの『BuzzPulse』など。

展望

評価を「良い」「悪い」と分けるには、単純な文字判別というわけにはいかない。例えば、携帯電話の評価を下すとき、液晶ディスプレイなどは「大きい」のがプラスポイン
トだが、電話本体は同じ「大きい」だとマイナスポイントになってしまう。

また、日本語の特徴(主語が省略されがちなど)やも課題だ。現在、どのサービスも評価判定が100%正しいとは言えず、大学で研究されているblogWatcherでもせいぜい80%程度とのこと。今後、自然文解析手法も含め、精度の向上が求められている。

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