[サッカー・フットサル]ロンドン五輪サッカー日本代表を振り返る、「心残り」と「残心(ざんしん)」

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一昨日の2012年8月11日、ロンドン五輪サッカー男子日本代表、3位決定戦は心残り(日韓戦)という記事の続き。ロンドン五輪サッカー日本代表を振り返る。

あの男子サッカー3位決定戦から3日経ったが、まだ悔しい(苦笑)。

その記事を書いたとき、そのときの気持ちを表す言葉を「心残り」として、タイトルに使った。

【心残り(こころのこり)】後に心が残って残念に思うこと(さま)。未練。

まさに、未練が残る試合だったと思う。ところでこの「心残り」に対して、「残心」という言葉があるのをご存知だろうか。言葉がひっくり返った感じだが、意味は大きく異なってくる。

日本にサッカー文化を与えてくれた「日本サッカーの父」クラマー氏が、指導時に「残心」という言葉をよく口にしていたという。

【残心(ざんしん)】心を途切れさせないこと。武道における、技を終えた後でも気を抜かないこと。

残心は、茶道の世界でも使われることがあり、「茶道具から手を離すときは、恋しい人と別れるときのような、余韻を持たせよ」という気持ちが、美しい動作につながるとされている。

武道においても、美しい動作を身につけるためにはまず相手が居て、その相手を尊重し、フェアに、おごり高ぶることなくしてはじめて、技術の向上が行われる。これが、残心の考え方だ。

ここで気づくのが、女子代表「なでしこ」はまさにこの残心を体現していたことだ。ワールドカップでの決勝戦、日本はアメリカに勝ったのだが、あきらかに試合内容は押されていた。優勝したことにおごらず、常に前を向き、五輪の決勝戦では結果は負けたが、その試合内容は素晴らしく成長していた。相手を尊重した、ファールの少ないフェアな姿勢も見事だった。

男子代表、「たら・れば」ではないが、メキシコのシュートはキーパー正面でキャッチ、そのとき全員が残心を持っていれば。カウンター一発を食らう前の残心があれば。

クラマー氏は、1960年東京オリンピックに向けた日本代表を指導したのだが、当時のメンバーに「残心」と言ったとき、はじめは誰も意味を理解できなかったという。

それから半世紀余りの52年後、日本サッカーは男女ともベスト4以上という結果を残せるところまできた。

これから先、「心残り」の試合を繰り返さないために、「残心」の精神を今一度日本代表に意識づけてほしい。

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