[漫画・アニメ]じょるじょる選定図書2008「虹ヶ原ホログラフ」浅野いにお

漫画・アニメネタ

社員研修が近づくと認定される、じょるじょる選定図書。

(という名前の単なるおすすめ漫画だが・笑)(旅行のお供に最適)

2008年に認定された作品はこれ!

「虹ヶ原ホログラフ」浅野いにお。太田出版刊、762円+税。2006年8月22日発行だから、住吉は完全に出遅れた(笑)。

住吉とこの本の出会いは・・・今朝4時に、布団を蹴飛ばした寒さで目が覚め(昨夜から布団3枚重ねにしたのがまずかった)、水飲んで「あーもう一回寝られるかな~」と思いつつ、枕の隣に積んである未読漫画の中から「虹ヶ原ホログラフ」を発見。

「あれ~こんな本買った記憶ないな。作者も知らないし・・・誰から借りたんだろ」と思いながら読み始める。全1巻、一気に読了。さらにもう一度読む。

この作者スゲー!

「いい映画は何回も楽しめる」(by押井守)というように、これも何回も読み直してしまうおもしろさ。これを掲載していたクイック・ジャパン、偉い(最近読んでないけど)。

すっかり目がさえて、二度寝できなくなったので(笑)、Wikipediaで情報を調べると、単行本は何冊か出ているみたい。ヤングサンデーで連載していたのか~ノーチェックだった。他の作品も読んでみよう。

おすすめです>漫画友達のまちこさん

じょるじょる選定図書一覧

  • 2004年「DEATH NOTE」(住吉選定)
  • 2005年「シグルイ」(住吉選定)
  • 2006年「魔人探偵脳噛ネウロ」(社員W邊さん選定)
  • 2007年「ヒストリエ」「フラワー・オブ・ライフ」「ぼくらの」「ヴィンランド・サガ」(住吉と社員O田くんで選定)
  • 2008年「虹ヶ原ホログラフ」(住吉選定)

2008年も、あともう何作か選びたいな~。

ところで、虹ヶ原ホログラフ貸してくれた人、誰?

[渋谷][漫画・アニメ]またもや渋谷雪見酒はできず~アルゼンチンの雪を見た

渋谷ネタ

昨夜の天気予報では「もーとにかく雪降るからね!」と念を押されて楽しみに待っていたのだが、結局雪は降らず。何だよ~俺の睡眠時間を返せ(笑)。

←深夜の渋谷駅。んーやはり雪は降ってないなあ・・・。

←リアルタイムでわかる「関東の雨量情報」サイトをウォッチしていたところ、東京周辺では降っている雰囲気なのだが。

仕方ないので、TVKで再放送している「母をたずねて三千里」の録画を見る(火~金am8時より)。今、ハマってます(笑)。

←おお、こんなところで雪が! さるの あめでおも おおよろこび。

TVK再放送中の母をたずねて三千里は、現在第49話。アルゼンチン北部にある町「トゥクマン」に向けて、徒歩で北上中のマルコ君であった。通して観るのは3回目だけど、いや~面白いっすね。最初に観たのは小学生のときリアルタイムで、2回目は大学生のとき再放送。3回目が今。

ネットで情報補足しながら観ると、もっと面白い。周りのみんなにも勧めてる(笑)。

母をたずねて三千里のWikipediaはこちら。

マルコの移動地図はこちら。

監督:高畑勲、場面設定・レイアウト:宮崎駿、絵コンテ:富野喜幸という超豪華ラインナップだったんだね、とか(笑)。

というわけで、昨夜は夜中の3時までアルゼンチンの雪で雪見酒。がんばれマルコ。あと3話で最終回だ!(1月24日の朝8時TVKで最終回っす)。

[漫画・アニメ]成田総監督のグアムおみやげは「OTAKU USA(オタク・ユーエスエー)」

漫画・アニメネタ

去年の話になるけど、じょるじょるFC総監督こと成田さんから、グアム出張のおみやげをもらう。

←これっす。ジャパニーズテクノロジーが生んだオタクカルチャーを現在進行形で網羅する(←住吉が勝手に付けたキャッチコピー)、その名も「OTAKU USA(オタク・ユーエスエー)」! 2007年12月号の特集は「ザ・サード 〜蒼い瞳の少女〜」(ちと古いか)。

←表紙には、カタカナで「オタク」の文字が(笑)。

公式Webサイトはこちら(英語)→http://www.otakuusamagazine.com/

←6ページの「OTAKU EDITORIAL」ページには、Patrick Macias(パトリック・マシアス)編集長の写真が掲載されているのだが・・・(写真右)。

←成田総監督曰く「編集長、住吉君に似てるよね」。んー確かに・・・。オタク顔は、国境をも越えるのかッ。

そういえばパトリック・マシアス編集長、新年のNHKの番組にも出てたね~。

こんな記事と写真も見つけてみたり(笑)。キター!

以上、ヨタネタでした。

[漫画・アニメ][社内]荒木飛呂彦先生の「ジョジョの奇妙な冒険」ブーム、再び!

漫画・アニメネタ

住吉がこよなく愛する漫画、「ジョジョの奇妙な冒険」。

「ジョジョの奇妙な冒険」のWikipediaはこちら(今読んだが面白い)

作者・荒木飛呂彦先生(東北出身)のWikipediaはこちら

「ジョジョの奇妙な冒険」は、週刊少年ジャンプ1987年1・2合併号から連載スタート。新連載開始のジャンプを、府中本町駅の本屋で立ち読みしたのを今でも覚えている。「俺が昔、大学3年生だったとき・・・」である(笑)。現在第7部の「スティール・ボール・ラン」を連載中だから、すごいよね。

去年あたりから「ジョジョ立ち」や「ジョジョ芸人」をよく見かけるようになったな~ということで、再ブームなのですな。

←社内にあった、最近出たジョジョ本。ジャンプSQでは、第4部の外伝が掲載され、さらに岸部露伴にヘブンズ・ドアーをかまされる荒木飛呂彦先生が見られる(笑)。そしてあのユリイカが「荒木飛呂彦」増刊を出すとはッ!!!

現在発売中、ファンは必読ですな。

荒木飛呂彦は、住吉の尊敬する「押井守」と共通する部分として、「ロジカルに思考された創作」を行っていることがある。第3部のスタンドを考え出すのに、「テレキネシス(物を触れずに動かす)は、実は守護霊のような存在が行っているとすれば、見えない力を絵として、漫画として見せることができるのでは」と発想したという。これを聞いたときには、さすが!と思った。

ちなみに、住吉は第2部派です。社内は何故か第4部派が多いのであった。

[漫画・アニメ]ウサビッチがチト流行っているらしい

漫画・アニメネタ

社員から聞いた、ネットで流行っているものシリーズ。「ちょっと前にちょっと流行ってた」という、ネットアニメ(なのかな)ウサビッチ。

検索したら、公式サイトがあった→http://www.usavich.tv/

ロシアの監獄に閉じ込められたウサギのキレネンコとプーチン。監獄生活といえば希望のない暗い毎日のはずなのに、なぜか彼らはのほほんお気楽な収監ライフを満喫中。

とのこと。

囚人vs扉、という設定はいいね。ビチビチ感がけっこう面白いかな~。ハマる人はハマるかも。

[仕事][漫画・アニメ]富山出張、高岡市の風景(まんが道の世界)

仕事&漫画・アニメネタ

住吉が20代で、現場バリバリのライター&エディターだった頃の話。

執筆に疲れたり、やる気がでないときは、仕事場の隣のベッドで横になり「あーもうオレ駄目・・・」などと弱っていた(フリーで仕事をしていると誰も助言してくれないし励ましてもくれないのだ)。

そんなとき、枕元に置いてあったのが、藤子不二雄先生の「まんが道」。

「これを読むだけで、やる気のなかった子が、みるみる元気になるのです」(住吉談)

と断言できるくらい、弱ったクリエイターにおすすめのこの漫画。

藤子不二雄の学生時代と、上京後の青春時代を描いた作品なのだが、前半の舞台はこの高岡。一度は来てみたかったのだ。

←富山駅から、列車で高岡駅へ向かう。「満賀道雄(藤子不二雄A)は、この列車で立山新聞社に通ったんだー」と思いつつ感慨にふける。カーテンが付いている、不思議な雰囲気の列車。

←高岡駅に到着! ここが「まんが道」の舞台かッ!

←「ドラえもん」のパチもの風キャラがお出迎え(笑)(関係者のみなさんすみません)。

←駅デパートは、住吉が見た駅デパ中、最高に「古くていい」感じ。藤子先生達もここで買い物を・・・など夢想する。

←富山市と同じく、路面電車が活躍していた。

←一番楽しみにしていた「高岡大仏」が修復中~。愕然とする。まんが道的には「キャバキャバ!」だあ。

←悔しいので、富山市に戻り、満賀道雄が勤めていた「立山新聞社」を探す。この「富山新聞社」がモデルだった模様(実際に藤子不二雄Aはこ富山新聞社に勤めていて、そのエピソードがまんが道でも描かれている)。

ああ、旅の思い出と共に、久しぶりにまんが道読み返したくなってきた。ジョルス社内のどこかにあるんだよね・・・(10年間紛失状態)。見つけたら教えて>社員のみなさん

[漫画・アニメ][昔の仕事]押井守インタビュー「“映像”と“コンピュータ”の融合性」

漫画・アニメ&昔の仕事ネタ

昨日、NHK BS2アニメギガ押井守特集のエントリーをしたが、本日夜の放映はパトレイバー編。

押井守監督のWikipediaはこちら→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%BC%E4%BA%95%E5%AE%88

以前、雑誌「AVComputer Magazine」(電波新聞社刊)で、押井守インタビューを記事にしたことがあり、ちょうどパトレイバーの話がされていたので、電波新聞社の許可を得て全文再掲載。

←1994年3月にインタビュー実施、テーマは「“映像”と“コンピュータ”の融合性」だが、前年夏に公開された「機動警察パトレイバー2 the Movie」についても語られている。1994年当時、CGはまだ珍しく、アニメーション業界でも「どう活用するか」というのが課題の段階だった。

すでにパトレイバーを観たことのある人も、インタビュー中の押井監督の発言、

(パトレイバーは)作品のテーマの中に“モニタを見ている人間”という基本的な構図を持っている

というところに注目しつつ、今夜再見するべし。「人間とモニタが向かい合っている構図の中に、映像として表現できる別のものが存在する」という構造だ。押井監督の作品は「構図」と「構造」、「日常」と「非日常」、これらの“境界線”の表現が特徴的で、見れば観るほど味がある。

ちなみに、インタビューアー&記事編集は住吉が担当。あこがれの押井守監督へのインタビューなので、エライ緊張したことを思い出した(笑)。

それでは、再掲載記事をお楽しみくださいね↓


AVC Interview

映像作家インタビュー

“映像”と“コンピュータ”の融合性を聞く!

 映像とコンピュータ,この二つの融合はここ数年で飛躍的に進んでいます。デジタル・ビデオ・システムの登場によりパソコンの映像の個人編集が可能となった今,映像の世界はどう変貌していくのでしょうか?

 押井守監督は,最新作の映画『パトレイバー』シリーズで,コンピュータを“物語”“表現方法”双方に含ませ,現代東京を描くという意欲作を作りあげました。さらにアニメーション以外でも,『紅い眼鏡』『ケルベロス』といった実写映画や,『サンサーラ・ナーガ』シリーズなどのファミコン・ゲームをも手掛け,現在もっとも映像とコンピュータに関わっている一人といえるでしょう。

コンピュータは新しい物語の器

-押井監督は,ふだんパソコンをどう使っていますか?

押井守監督(以降押井) はじめはゲームから入りましたね。他にはワープロとして使ってます。このまえPC-9821Asを新しく買って,Windowsも動かしてみたけれど…たまに絵を描いたりする以外は使わないかな。でも,ファイルマネージャは便利ですね。ファイルマネージャのためにWindowsを起動することはある(笑)。

-押井監督は本業は映像作家ですよね。コンピュータ・ゲームを作ってみよう,と思ったきっかけは?

押井 一番最初に考えてたのは,ゲーム,とくにRPG(ロール・プレイング・ゲーム)の世界というのは,物語というのがテレビや映画とちがう切り口で,ちがう扱われかたができるんじゃないか,という気がしてたんですよ。自分自身が,そういうRPGのゲームにハマっているときに,もしかしたらこれが新しい物語の器になるかな,と気がついたんです。しかもそれが,小説とかマンガとか映画ではできないことがやれるんじゃないか。簡単にいえば,“双方向性”といわれるものですけど。それだから,常々やりたいなと思っていて,たまたま企画がとおったんでやらせてもらったんですけど。

-その第1作が『サンサーラ・ナーガ』ですね。いろいろな意味で話題になったと思うんですが,実際に作ってみて感じたことは?

押井 ゲームは奥が探いですね。感じたのは,やっぱリゲームを作ってる側も,ゲームで遊んでる側もね,何がおもしろいのか,何がおもしろくてこれだけゲームを作り,ゲームを買って遊ぶのかということを,まだわかってないんですよね。じゃあ僕はわかってるかといわれたら,たぶんわけのわからないまま,おたがい勘でやってるような気がするんですよ(笑)。ゲームっていうのはなぜ人間をこんなにおもしろがらせるのか,興奮させるのかという部分の問いかけが,現在はきわめて不十分だと思うんです。そうすると基準がないまま,定義もないままで,おたがいまったくちがう単位を扱ってものを作っているわけです。じゃあ,何もできないのかというとそうじゃない。昔からゲームといわれるものは,無限にありますよね。サイコロさえなくても,鉛筆ころがしてでもゲームやりたい人間はやっちゃうわけですよ。そこがゲームの持つ“何か”なんですよね。それぞれゲームの本質というか,ゲームの実体みたいなところとまったく掛け離れたところでゲームが語られ,ゲームが作られ,ゲームが遊ばれているというのが現状ですよね。それで自分が何をできるのかといったら,何もできやしない。あちこちでそういうことをわめき散らすことくらいでね(笑)。わめき散らしたところで,基準がないからそれもほとんど通じない,ということになっちゃうんだけれども…。

-そういう現状で,新作ゲーム『サンサーラ・ナーガ2』を作ったわけですが。

押井 今回は,演出家として機能してみたいな,と思ったんです。いかにおもしろく見せるかという。僕は映画監督である以上にね,やっぱり演出家として自分を考えて仕事しているんです。それがゲームであろうが映画であろうがアニメーションであろうが,いわゆる物語をいかに演出してお客さんにおもしろく見せるということが僕の仕事の基本なんです。だから今回はシステムをいじったり,とんでもないことはやってません。やってないことで,前作より売れるんじゃないかと期待されてるんだけど(笑)。

物語の中でコンピュータを表現するには?

-ご自身でもパソコンを使っている,ということですが,物語の中でコンピュータを登場させるときに注意していることはありますか?

押井 リアルな部分は見せなければいけないけれど,妙にコンピュータというものを神秘化したりとか,あるいはものすごく嫌悪の対象として描いたりとかはやめようと。ひと昔まえまでコンピュータっていうと,だいたい悪の帝国の真ん中にあるとか,もしくはものすごく素晴らしいもので,ヘタすると神様になっちゃうんじゃないかと(笑)。それは両方とも嫌だったんです。そうじゃなくて,コンピュータというものは人間が付き合って新しく生まれた,しかも今までの車であるとか,トンカチであるとか,飛行機というものとは本質がどこかちがう部分を持ってる“何か”なんです。そういう感じを描けたらいいな,と思ってはじめたんですよ。

-それが映画『パトレイバー1』で“コンピュータ・ウィルス”という形で表現されたわけですか?

押井 まず,パトレイバーというハードをパソコンに,それに乗り込む主人公たちをソフトに見立てると,一番ウソや誇張やわけのわからないコンプレックスのない,精巧なコンピュータというものを描けるんじゃないかと思ったんですよね。たまたまその話の主入公が警察官なんで,どうしても毎回事件が起きるわけだから,コンピュータ犯罪というところにいったわけです。コンピュータ・ウィルスっていうのも,散々わけのわからない感じで世の中に無用な恐怖まで与えたものだから,わりと正確にやろうと思ったんですけどね。

CGはあくまでも一つの素材として使う

-映像とコンピュータというと,やはりイメージか強いのはCG(コンピュータ・グラフィックス)ですが。

押井 以前とくらべると,パトレイバーではずいぶんCGを使いましたね。ただ前作では予算が非常に苦しかったんで,IndigoはおろかMacのQuadraも使えないという。結局あれはAmigaでやったんですけど。パソコンで作ったCGを,堂々とスクリーンしかけるという図々しいことをやったんです(笑)。

-最新作の映画『パトレイバー2』では?

押井 今回は逆に,非常に高レベルだったCGを,ビデオで何度もダビングしたリエフェクトかけたりして,いかに汚しまくるかということを一生懸命やったんです。僕にとってCGというのは,そういうことですね。CGそれ自身を演出したりとか,CGで可能なことをスクリーンで見せたりということは考えてないわけで,CGはあくまで扱うべき一素材なんです。生活の中で,CGを見ない日がないくらい,あたりまえのものになっていますよね。それは,キャッシュ・ディスペンサのディスプレイに映しだされる文字,あれだって堂々たるCGなんですよね。テレビ・ニュースのタイトルもみんなCGだし,雑誌の表紙だってCGだし,CGに関わらない一日なんて考えられないですよ。それだけ普通になってるものを,映画の中でことさらCGだ,というほうが変なんじゃないかと。

-つまり,CGであることを目立せなくするわけですか?

押井 素材である以上は,映画の中で一種のリアリティを持たせるために,加工するのはあたりまえなんです。ビデオ映像だったら,ドロップ・アウトまで入れたりとかね(笑)。作り手の側もそういうふうに思って作ったほうが表現の幅が広がるし,別の意味でリアリティを与えることができるはずなんです。それはもう,その部分だけ取り外して見ても,すごいということは全然ないと思うんですよね。スピルバーグの映画『ジュラシックパーク』でCGの恐竜がスムーズに動きまわるのは,本来はジュラシックパークという世界観にリアリティを与えるために必要だからやってるわけであって,そこだけを別に売っちゃってもいいできになると困るわけですよね。やっぱ
りその作品だから,それが必要な範囲で,それ以上でもなくそれ以下でもなくが大事なんです。そこだけ浮いちゃったら,結局失敗なわけだから。

-CGの予算は安くなってきている,と聞きますが?

押井 そうですね。それにしてはまだ,やっぱりお金がかかりすぎる。安くなったとはいわれても,まだまだ高いなと思いますね。でも,現場の感覚からすると全然足りないという…,まぁあたりまえの話ですけど。

-パトレイバー2では,ねらいどおりにCGはそれほど目立ちませんでしたが,どのくらいの量があったのですか?

押井 カット数でいえば,一割ぐらいですね。さらに100パーセントCGというカットが,その中の1割5分から2割ぐらいかな。ほとんど合成してますよ。むしろ合成するのがねらいだったから。さっきもいったけど,加工するということの中には自分の映像といかにマッチングさせるか,合成するか,わかんないように紛れ込ませるとか,そういうことが含まれるんです。

二次映像の可能性を探る

-押井監督は,映画『エイリアン2』を見て,映像の中の映像,つまり二次映像に興味を持っている,ということですが?

押井 ありますね,それは。やっぱり映画そのものが二次映像なわけだけど,だからこそ映像の中で二次映像をどう扱えるのかということについて,以前から興味を持っていました。映画というのはなんとなく,現実ですって顔をしますよね。でも,もともとそんなものはどこにもなかったわけで,フィルムに写し撮られた段階でも,とっくの昔に現実ではなくて,作りものなんですよね。そうじゃなくて,映画はしょせん全部二次映像,作りものであることを全部ばらした上で,世界とか人間とか時代とかをどう描いていこうか,ということを考えているんです。

-二次映像を使うことで,それが可能になるわけですか?

押井 映画というのはありとあらゆるもの,写し撮られるものすべてを素材にしちゃう不思議な力があるんです。それは役者さんの顔であろうが,風景であろうが,雲一つ,水面一つ,全部がそうなんだけど,水面に写ってる影でも何でも,等価にしちゃうんですよ。等価にすることで,価値の序列みたいなものをいったん全部ばらして組み合わせることによってね,いろんな意味を付け加えることができる。二次映像を映画の中でいかに使うかという問題は,そういうことにダイレクトにつながってると僕は思うんですよ。それは,スクリーンでわざわざムービー・カメラのモニタ映したりとかね,何でそんなことやるんだ,って昔ならいわれたわけだけど,さっきいったようにCGがあたりまえの時代に住むのと一緒のようにね,写し撮られるべき一つの社会にすぎないんですよ。映画が描くべき世界は,人間とか現実とかといわれてたわけで,そうじゃなくしょせん役者が芝居してる世界と同じように,すでに存在している映像も映画にとっては人間の役者の顔と同じ,まったく等価,素材にすぎないんですよ。というふうにして考えられて作られた映画が見てみたい,と思っているんです。

-エイリアン2ではそれを意識していた?

押井 あるいは最初のエイリアンもそうだけど,二次映像がふんだんにでてきますよね。やっぱりあれを見て,かなり考えさせられたんです。最初の理由は,予算がなかったからビデオで撮って,それを役者がセンサーを見ているという主観のカットで映像として見せた。それが意外と,ものすごく本当らしく見えた。全部特撮や合成したりするカットよりもね。宇宙船の中のモニタ・スクリーンの中に,宇宙船に向かって歩いてる人間が荒れた画面で映っている。それを宇宙船の中のリプリーという女が見てるという。これが妙に,不思議なリアリティがあった。だからこそエイリアン2のときに,突入して行く海兵隊のアクション・シーンで,二次映像という形でビデオ映像があんなに入ってきた。あれは絶対意識してるんだと思うね。そういう意味では,今はそういうふうな一種,状況をよりリアルに見せるとか,迫真なものにするための道具,テクニックとして使われてるわけだけど,もっとそれ以上の意味がでてくるんじゃないかと思うんです。

これからの映像の見せかた

-それでは最後に,今後の抱負をお願いします。

押井 パトレイバーというのは,本来はあの作品のテーマの中に“モニタを見ている人間”という基本的な構図を持っているんです。普通は人と人が出会って,その対象は人間であるという描きかたですよね。人間と人間が向き合ってドラマが生まれるんじゃなくて,人間とモニタが向かい合っている構図の中に,何か語られる世界があるんじゃないかと思って,あの作品を作ったんです。だから二次映像っていうのは,扱うには一番うってつけの世界だった。今後も,いろんなパターンで二次映像というものに挑戦したいと思ってます。わりと手間としては大変なんですけどね。だけど,演出家としてはここを突き詰めていきたいと思っています。こういう映像は,若い人ほど抵抗感がない。むしろそれを,かっこいいと感じるんです。そういうふうな人間がどんどん増えていけば,あたりまえの世界になるんでしょうね。

-どうもありがとうございました。


  • AVComputer Magazine Vol.1
  • マイコン別冊オーディオ・ビジュアル・コンピュータ・マガジンVol.1
  • 1994年5月30日発行
  • マイコンBASICマガジン編集部/ジョルス編

※52ページ~55ページのインタビュー部分全文を再掲載(インタビュー&編集:住吉昭弘、撮影:高橋弘文、デザイン:貝沼俊之、記事起こし:布佐昭彦)。再掲載にあたり明らかな誤字のみ修正しました。

[東北][漫画・アニメ]夏休み4-6日目・秋田ではのんびり、アニメギガ押井守特集を観る毎日

東北&漫画・アニメネタ

夏休み4-6日目(8月6日~8月8日)、秋田の実家で、青森とはうって変わってのんびりした日々を過ごす。

何だかんだで、仕事電話やメールが飛び交ったのは忘れつつ(笑)。

22時に寝る両親を尻目に、23時からはじまる「BS2アニメギガ・押井守特集」を観る毎日。

アニメギガ・押井守特集の公式Webサイトはこちら→http://www.nhk.or.jp/animegiga/oshii/

本日以降のラインナップはこちら。

  • 8月9日(木曜)夜23時~25時、「天使のたまご」、「御先祖様万々歳!」+押井守自作を語る
  • 8月10日(金曜)夜22:30~29時、新作「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」を語る、「OVA機動警察パトレイバー」、「機動警察パトレイバー 劇場版」、「機動警察パトレイバー2 the Movie」+押井守 自作を語る
  • 8月11日(土曜)夜20時~29時「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」、「アヴァロン Avalon」、「イノセンス」+押井守 自作を語る+スタジオ生放送

ちなみに昨日の放映(というかさっきまで)は、「うる星やつら オンリーユー」。初の劇場作品で気合い入れたが、出来はいまいち、と自作を語っていた。宮崎駿にコテンパンに酷評されたのが悔しくて(という一因もあり)、名作「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」が生まれたわけだ。最終日は必見ですな~。

明日から出社だあ。がんばんべ。

[漫画・アニメ]朝日ソノラマ、営業終了(店仕舞い)

漫画・アニメネタ

社員が「住吉さん、朝日ソノラマがなくなっちゃいますよ」という情報をくれる。さっそくネットで検索。

朝日ソノラマ社のオフィシャルWebサイト→http://www.asahisonorama.co.jp/
(ページ下部の「ほんとにあった笑っちゃう話 ねこねこ日和 まぐろ缶号」が気になるが・・・)

店仕舞いのお知らせはこちら→http://www.asahisonorama.co.jp/hp/whatsnew/readers.html

以下、引用。

(略)さて、当社は9月末日で営業活動を停止します。本日、その旨の記者発表をしました。(略)ただ、現在ソノラマ社で発行しているコミックスやノベルスなどは、朝日新聞社出版本部が出版権を引き継ぎ、10月以後は朝日新聞社の新刊として発行することが決まっています。(略)

とのこと。親会社が出版権を引き受けて、ソノラマブランドは残るらしい。

Wikipedia→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E3%82%BD%E3%83%8E%E3%83%A9%E3%83%9Eを見ると、あー昔お世話になった雑誌や単行本が・・・。

今話題の(TVアニメのテンポが遅くて話題かもしれないが)「地球へ…」は、朝日ソノラマの「マンガ少年」で連載していたんだねー。まとめ本持ってたな。他にも、諸星大二郎や星野之宣の作品が掲載されていたのか。

記者発表したのに、あまりニュースにはなっていないのが残念。

[東北][漫画・アニメ]秋田へ…TOWARD THE AKITA

東北ネタ

本日4月30日は、午前から元社員のY君の結婚披露パーティに出席しつつ、夕方から秋田へ…。詳細は後ほど!

タイトルでもパクっているけれど、最近「地球へ…TOWARD THE TERRA」が、アニメで復活しているね~。中学時代はハマったな~。作者の竹宮恵子は住吉にとっては神レベルっす。

ジョミー・マーキス・シンとか、ソルジャー・ブルーとか、単語が懐かしい(笑)。キャラ的には、キース・アニアンが好きだったな~。